診療科のご案内
外科
当院外科は、大阪大学医学部消化器外科教室の関連施設です。また、日本外科学会、日本消化器外科学会の認定関連施設でもあります。
消化器を中心に、一般外科から内鏡視下手術(いわゆる腹腔内視鏡を用いた大きく傷をつけない手術)まで幅広く行っています。手術後も充実したHCU(集中治療室)の施設及び専属のスタッフにより、侵襲の大きな手術の術後もきめ細かい管理ができるようになっています。また、良性疾患(大腸ポリープ等)や早期癌に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの非侵襲治療も消化器内科と共に積極的に行っています。
胃がん・大腸癌
消化器癌の中で最も多い疾患で、特に大腸癌は本邦でも増加傾向にあります。それぞれの治療ガイドラインに従って、早期癌は内視鏡手術を、進行癌はリンパ節廓清を含めた外科手術を行っています。場合によっては、術前術後に化学療法(抗がん剤治療)を併用し、集学的治療で治療効果を高めています。癌の治療に緩和治療は欠かせません。入院、在宅など地域の開業医の先生と連携しながら、患者様一人一人の環境を考慮した治療を心掛けています。
胃癌治療法の種類と適応
日常診療で推奨される治療法選択のアルゴリズム


N:転移個数をカウントする領域リンパ節は、No.1~12,14vであり、それ以外のリンパ節転移はM1とする。
胃手術の種類
1.胃全摘術
噴門(食道胃接合部)および幽門(幽門輪)を含んだ胃の全切除。
2.幽門側胃切除術
幽門を含んだ胃切除。噴門は温存。定型手術では胃の3分の2以上切除。
3.幽門保存胃切除術
胃上部3分の1と幽門および幽門前庭部の一部を残した胃切除。
4.噴門側胃切除術
噴門(食道胃接合部)を含んだ胃切除。幽門は温存。
5.胃分節切除術
噴門、幽門を残した胃の全周性切除で、幽門保存胃切除術に該当しないもの。
6.胃局所切除術
胃の非全周性切除。
7.非切除手術(吻合術、胃瘻・腸瘻増設術)
大腸癌の治療方針

ステージ(進行度)

手術の種類

大腸癌術後の経過観察
手術後の期間 | |||||
1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | |
問診、診察(直腸癌では直腸指診を含む) | 3カ月ごと | 6カ月ごと | |||
腫瘍マーカーの測定 | 3カ月ごと | 6カ月ごと | |||
胸部CT | 6カ月ごと | 6カ月~1年ごと | |||
腹部CT | 6カ月ごと | 6カ月~1年ごと | |||
骨盤CT(直腸癌) | 6カ月ごと | 6カ月~1年ごと | |||
大腸内視鏡検査 | 1~2年ごと |
胆石症
胆石症は、中年の女性に多い疾患で、時に胆石発作といって右上腹部から背部にかけて疝痛が走ることがあります。黄疸が出ると、総胆管結石も疑われます。近年では内視鏡的治療や腹腔鏡手術が主流になってきました。傷も小さく、早期退院が可能です。手術を希望される方は専門医にご相談下さい。
鼠径ヘルニア
いわゆる“脱腸”です。小児の病気と思われがちですが、老年の男性に多い疾患です。足の付け根が腫れてきたらご相談下さい。時に、脱出した腸が元に戻らなくなったり(陥頓)、腸閉塞や腹膜炎を併発して命にかかわる事もあります。
治療は手術しかありません。子供は膨れた腹膜の袋を切り取るだけで治りますが、成人の場合はメッシュという合成繊維のシートで補強する必要があります。当院では触診だけでなく、腹臥位腹部CTを撮ることで、画像でも正確な診断に役立てています。
肛門疾患
内痔核、外痔核、痔瘻、裂肛、肛門周囲膿瘍などがあります。痛みや出血を伴う事が多く、日常生活の改善、食事療法、座薬や軟膏などの薬物療法で軽快しない場合は手術が必要となります。出血が続く場合は、痔ではなく大腸癌の可能性もあるので大腸内視鏡検査をすすめます。
救急関連疾患
当院は救急指定病院として年間約5000件の救急車を受け入れています。その中には、急性虫垂炎、消化管穿孔、腹膜炎、腸閉塞などの消化器疾患も含まれ、積極的に緊急手術を行っています。
当院外科は外科系の専門医制度と連携したデータベース事業(NCD)に参加しています。手術患者様の情報をNCDに登録いたしますので何卒ご協力の程よろしくお願いいたします。
患者さんへ(専門医制度と連携したデータベース事業について)
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ドクター紹介
顧問 / 矢野 浩司(やの ひろし)
・日本外科学会 指導医
・日本消化器外科学会 指導医
・日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
・日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
・日本消化器病学会 専門医
副院長 / 川﨑 靖仁(かわさき やすひと)
・日本外科学会 外科専門医
・日本消化器外科学会 認定医
部長 / 田中 純一(たなか じゅんいち)
・日本外科学会 外科専門医