セカンドオピニオン(Second opinion:第2の意見)とは
現在受けておられる治療に対する他の医師の意見(評価)であり、今かかっておられる医師(主治医)以外の、通常はその分野のエキスパートの医師にこれを求めます。加納総合病院は、多くの診療領域で経験豊かな専門医を擁していますので、色々な病気のセカンドオピニオンに幅広く対応可能です。
ご希望される担当医を既に決めておられる場合は、患者様から特定の医師を指名して頂くことが可能です。担当医の選択に当たって必要な、当院の常勤医師の専門領域や臨床経験などの情報は、ホームページ内の医師紹介欄に掲載しておりますのでご参照ください。もし、相談内容にマッチする医師がお判りにならない場合には、地域連携室までご相談ください。また、当院では他の医療機関(大学など)から日本をリードする著名な先生方にも診療支援を頂いており、セカンドオピニオンをご担当頂くことも可能です。しかし、外部からお越しいただいている非常勤医師は、当院のホームページにその経歴を掲載しておりません。地域連携室のスタッフにご相談いただければ、常勤医師だけでなくこのような非常勤医師も含めた専門医集団から最適の担当医をご紹介することができます。
セカンドオピニオンの意義
今かかっておられる病院では、担当されている医師から既に治療方針に関する説明は受けておられると思います。しかし、患者様は医学に関しては素人ですので説明されても十分に理解できないこともありますし、他にもっと良い治療がないのかという疑念や不満を抱いておられることも多いものです。今までのようによく理解できないから医師に全てお任せするのではなく、「インフォームド・コンセント(説明と同意)の下の医療」に移行しています。すなわち「患者様自らが詳しく説明を受けた上で治療方針の決定に自らが関わり、すべてを理解し十分納得した上での治療」を受けたいという方が増えてきました。このような患者様には、是非セカンドオピニオン外来をご活用いただきたいと思います。当院の専門医から、あらためて説明を受けることは、ご自身が受けている治療のメリットや限界を客観的に正しく理解していただくことに繋がります。相談の結果、もし同じ治療が勧められたとしても、安心し納得してその治療を受けていただくことができます。
セカンドオピニオン外来には、現在受けておられる治療があまり効かないので、不安を覚えておられる方も多くお越しになります。有効な治療法がまだない病気の場合には致し方ないのですが、ちょっとした治療法の工夫や別の治療法の選択によって著しく効果が得られることがあります。また、同じ病気であっても内科医が治療する場合と外科医が治療する場合では、治療方針が大きく異なることがよくあります。当院では、現在かかっておられる主治医とは異なった専門性を持った医師(例えば外科医)を希望して頂いて、ご相談いただくことができます。
セカンドオピニオンにおいて、現在の主治医から受けている治療とは異なった治療をお勧めする場合には、当院の専門医から、二つの治療法の違いについてご本人に詳しくご説明させていただきます。さらに、当院の専門医の意見を現在受診されているご担当医に文書でご提示させていただきます。セカンドオピニオン=治療方針の変更あるいは主治医や病院の変更と考えておられる方も多いのですが、実はそうではありません。どちらの治療を選択するのかは、当院が提供する文書の情報を元にもう一度ご担当の先生と話し合われることをお勧めしています。稀ではありますが、病気の診断そのものから再検討すべき場合や、新たにお勧めする治療が紹介元の病院では行えない場合には、ご希望があれば当院を含め適切な専門病院をご紹介させていただきます。
患者様へのお願い
この外来を受診して頂く患者様へのお願いがあります。セカンドオピニオンは、今受けておられる治療を正確に把握した上で、当院の専門医が意見を述べるものです。このため、現在かかっておられる病院の主治医から当院宛の詳細な紹介状(医療情報提供書)を書いていただき、診断の根拠やその治療法を選択した理由、主治医から見た治療上の問題点などを記載いただく必要があります。同じ疾患であっても複数の治療法が存在することが稀ではなく、治療効果は個人差が見られるのです。主治医がどのような考え方で治療を選択し、現時点でその効果をどう判断しているのかは特に重要な情報です。
紹介状を書いてもらうことを医師にお願いすることをためらう方が多いと思います。しかし、我々医師は、患者様が治療についてよく理解し、十分納得された上で治療を受けていただきたいと願っています。セカンドオピニオンは、患者様の不安を拭い去る貴重な機会ですので、むしろ他の医師の意見を聞いてほしいと考えています。一度しかない治療の機会であり、人生ですので、遠慮される必要はありません。
セカンドオピニオンにお越しいただいた場合、この提供された情報を基に、当院の専門医が治療法について意見をまとめ、患者様に説明するとともに、最終的に紹介いただいた主治医の先生に我々の意見を文書でお返しするのが、一連の流れとなります。また、セカンドオピニオンの制度は、受けておられる医療の質の向上と患者様の治療法への理解を深めることが目的ですので、主治医の診断の誤りや治療の失敗を正すことや、それを根拠に医療訴訟を起こす目的で使用しないでいただきたいことです。このため、我々の意見(セカンドオピニオン)は患者さんに口頭で十分説明させていただきますが、文書はお渡しできません。意見書はご紹介いただいた主治医の下に郵送させていただきます。当院の担当医師は、医療訴訟にも関与できないことをご理解下さい。