部門のご案内
放射線科
加納総合病院放射線科では、放射線を使った検査全般と磁気を使用して画像化するMRI検査をしております。当科では、男性技師5名、女性技師1名の計6名で24時間体制にて各科の医師からの依頼や救急医療に迅速に対応できるように日々励んでおります。
全国的にみても救急件数が多い大阪市内で月間400件以上の救急患者様を診察させて頂いております。そのため1分1秒でも早く診断に有用な画像情報の提供に日々研鑽努力しております。
放射線を使用しての検査となりますと患者様が身構えて「ホントに大丈夫?」「そんなにたくさん検査して被曝が!!」と質問されますが、病気の診断に必要な画像を最新の検査機器を使用して最低限の被曝線量で提供できるようにプロの診療放射線技師が撮影に努めておりますので、安心して検査を受けて下さい。
近年、日常生活においてもそうですが医療現場でもデジタル化が進んでおります。当院でも2007年より電子カルテを導入して医師が診察しスタッフがそれを確認して患者様に対応させて頂いておりますが、放射線科では医師が必要とする検査内容を各検査装置に伝達するシステム(RIS)を使用して検査を行い、撮影した画像をデジタル画像保管装置(PACS)へ瞬時に画像転送して迅速に検査対応しています。
また、以前撮影した過去画像もPACSより瞬時に呼び出し比較検討できるシステムとなっております。
一般撮影検査
エックス線撮影装置を使用して胸部・腹部・骨・関節等の撮影を行い病変や骨折の確認をする検査です。
当院では2台の撮影装置で患者様の待ち時間を短縮し、CR(コンピューティッドラジオグラフィ)を使用して必要最小限のエックス線で撮影し被曝線量の低減をし、かつ高画質なデジタル画像を提供しております。
また、移動困難な患者様を病室や救急室、手術室で撮影するために3台のポータブル撮影装置で迅速に対応しています。
骨塩定量検査
エックス線を使い腕の骨の密度を計測して検査を行います。検査時間は2分ほどで終了します。骨粗鬆症の診断に有用な検査です。
マンモグラフィ検査
乳房専用の撮影装置で乳房を機械ではさみ薄くのばして上下方向と斜位方向の2方向で両側の撮影を行います。薄くのばして撮影することにより乳房の内部が詳細に解り小さな病変まで診断できます。
患者様にもよりますが、圧迫することにより、若干の痛みを伴う場合もありますが、できるだけ短時間での撮影を心掛けて検査対応させて頂いております。
また、女性技師も在籍しておりますので安心して検査を受けて下さい。
エックス線透視検査
バリウムや造影剤等を使用して消化管(胃や大腸)を撮影します。バリウムを目的部位まで到達させるために、検査台をたおし患者様に回転して頂き撮影を行います。当院の装置は患者様の消化管の形状にあわせ、エックス線装置が自在に動きますので的確な角度で撮影ができます。
造影剤を使用して血管や様々な部位の撮影をしたり、骨折や脱臼の整復もこの装置で行います。
CT検査
患者様に検査台に寝て頂き、エックス線発生装置を体の周囲方向に回転させて検査を行います。体を透過したエックス線を検出器で受け取りコンピュータ処理して体の断層画像を作成します。
当院の80列マルチスライスCT装置は検出器の数が体軸方向に80列並んでおり、1つの検出器の幅が0.5mmとなっておりますので、低被曝でより詳細に短時間で検査できます。
体内の臓器撮影はもちろん、骨の描出にも優れていますので3次元画像(立体画像)の作成や多方向の断層画像が得られ、手術適応の骨折の治療計画や患者様への説明に使用しております。
また、造影剤を急速静注する事により様々な部位の血管を描出したり、病変部の質的評価を診断する検査にも対応しております。
エックス線検査は全て動きのある部位には非常に困難な検査ですが、当院のCT装置はエックス線発生装置が1回転するのに最短0.35秒と非常に早いため、以前ではカテーテル検査でしか撮影できなかった心臓(冠動脈)撮影も心電図と同期させて撮影が出来るようになりました。これにより今までは、一泊の入院を要したカテーテル検査でしたが、今では40分程度で検査が出来ます。
MRI検査
放射線科で唯一、エックス線を使わずに磁気を使用して行う検査です。
体の構成物質の60%~70%をしめる水(H2O)の中の水素原子を利用して、画像化します。MRI室では、磁場を常に一定方向に保ち、その中に患者様に入って頂き、水素原子の向きを一定に保ちます。その状態から斜め方向よりエネルギーを与えると(この時にトントン音が鳴ります)水素原子がその方向を向き、エネルギーを切ると、また元の方向に戻ります。この戻るときにエネルギーを放出しながら戻りますのでそれを受信コイルと呼ばれる機械を使用し、信号を受け取ります。各原子により戻り方が異なりますのでそれを画像化する仕組みになっています。
このため、検査部位の周辺に機械を取り付けます。当院の装置は出来るだけ検査時の音が静かになるように設計されています。また、従来、検査室内は磁場精度を均一に保つために窓が狭く閉塞感がありますが、当院は庭と操作室に広く窓を用いた設計ですので明るい検査室となっております。エックス線を使った検査では造影剤を使用して血管の描出を行いますがMRIでは造影剤を使わずに血管を描出する事ができます。
MRIでは、レントゲン写真やCT検査より軟部組織の描出に優れていますので、脳の状態や関節、脊椎の検査に有用です。また、血の塊が脳の血管に詰まり脳細胞が壊死してしまう脳梗塞の早期診断にもこの装置で確認できますので、血栓溶解治療にも役立っております。
血管造影検査・血管内治療
足の付根や腕の肘部の動脈から、カテーテルと呼ばれる管を挿入し、先端を目的部位付近へ到達させて、検査・治療する装置です。血流状態の正確な把握や病変部位の確認・治療に使用しております。
当院の装置では、正面側と側面側にもエックス線発生装置を装備しておりますので、1度の造影で2方向の確認ができ、検査時間の短縮や被曝線量の低減が可能です。
正面側には16inch×12inchと大口径の検出器(フラットパネル)を装備しておりますので広範囲の検査にも対応しております。また、CT検査の様に造影剤を注入しながらエックス線発生装置を回転させ画像再構成することにより、血管や病変部位の3次元画像(3D)構築をすることができますので、より精度の高い検査・治療に役立ちます。
当院では、通常の手術と並行して先端医療であるIVR(経皮カテーテル治療)にも力を入れておりますので、各診療科の医師にご相談下さい。