センターのご案内
脳卒中センター
脳卒中は前触れなしに突然発症することが多く、いったん発症したら素早くかつ適切な診断と脳機能温存のための積極的な治療を必要とします。また、脳機能の回復にはリハビリテーションが重要となります。そのため、脳卒中センターでは、「スピードと院内連携」をスローガンに患者さまの医療に努めています。
脳卒中の急性期には患者さんの3−6ヶ月後の経過を予想しながら、少しでも機能温存や回復に向けた治療を施し、リハビリテーションセンターと協力しながら、患者さんの病状に合わせた急性期から回復期までよどみないリハビリテーションを行っています。
また、介護が必要となり自宅への退院が難しいと判断された方には、医療ソーシャルワーカー(地域連携室)と相談し、ご家族とともに適切な療養先を探し、脳卒中後遺症の療養相談も行っています。
当院の脳卒中センターの特徴
加納総合病院 脳卒中センターでは、脳神経外科医や神経内科の専門医が24時間・365日の診療体制で患者さまの受け入れを行いHCU(集中治療室)やSCU(脳卒中ケアユニット)での高度な観察と経験の豊富な専門医による治療をうけることができます。
脳卒中治療にはスピードと高い専門性が求められます。
当院では、中規模病院のフットワークの良さと優れた診断・治療機器を有し、診断から治療の時間を短縮しています。最近では来院からt-PA静注療法までは平均60分を切り、搬入からカテーテル治療までの時間が平均100分を切るようになっています。なかなか時間短縮ができない施設も多いなか、当院の脳卒中診療への意識の高さを表すものと自負しています。
また、病院内には急性期病棟だけでなく、回復期リハビリテーション病棟や療養病棟などの急性期以後の脳卒中後のサポートをするための入院設備も有しており、脳卒中の症状が安定し、退院するまでの支援を転院することなく行っています。このような急性期から回復期・療養までの一貫した脳卒中診療をできる病院は限られており、脳卒中の症状が安定するまでの支援ができます。
参考リンク
大阪市内で回復期リハビリテーション病棟を設置している医療機関
当院での脳卒中診療について
脳梗塞
- 脳血管がつまり、脳細胞が傷ついてしまう病気です。
- 基本的には薬による治療を行います。
- 発症後4.5時間までに治療が開始できる患者さんにはt-PA静脈注射療法を検討します。
- t-PA静脈注射療法が困難もしくは効果が期待できないときには脳神経血管内治療(カテーテル治療) を考慮します。
- t-PA静脈注射療法や脳神経血管内治療(カテーテル治療)でも治療効果が期待できないときには、 通常の薬による治療を行います。
- 脳梗塞になったときには、より積極的な治療ができる時間は発症から数時間です。 脳卒中の症状(脳卒中ポスター)が突然生じたときには早めの受診が重要となります(脳卒中の対応、スピードが命)。
- また脳梗塞は再発しやすい病気です。再発を予防するために薬による予防をしますが、 必要な方にはバイパス手術や頚動脈内膜はくり術、頚動脈ステント留置術をおすす めすることもあります。
参考リンク
脳出血
多くは高血圧が原因で急に脳内に出血を起こすためその部位の脳細胞が傷ついたり、圧迫をうけて症状を起こします。
- 基本的には薬による治療を行います。
- 出血量が多く、神経の症状の強い場合には血腫(血液のかたまり)を除去する手術をおすすめすることがあります。
- 脳出血の血腫を取り除く方法には 1.開頭術 2. 内視鏡手術 3.定位脳手術の3種類を施行しています。
- 患者さんの状態を考慮し、適切な方法を専門医(日本脳神経外科学会、日本神経内視鏡学会)が行います。
くも膜下出血
多くは脳動脈瘤(血管にできたふくらみ)が破裂し、出血することが原因の病気です。
- 重症の方や破裂を繰り返す方は、命の危険が高くなります。
- 再出血の予防にはクリッピング術とコイル塞栓術があり、いずれの治療も専門医が行います。
- 破裂を予防しても経過中に脳血管攣縮(れんしゅく)で脳血管が細くなり脳梗塞となる方がいます。攣縮が強いときには(血管形成術)も有用です。
- 発症後数週〜数ヶ月で脳脊髄液の流れが悪くなり、水頭症を来す事があります。水頭症にはシャント手術が有効です。
参考リンク
脳卒中患者入院数