25605 各種検査 | 加納総合病院

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各種検査

MRI検査

MRIは、レントゲン写真やCT検査より軟部組織の描出に優れていますので、脳の状態や関節、脊椎の検査に有用です。また、血の塊が脳の血管に詰まり脳細胞が壊死してしまう脳梗塞の早期診断にもこの装置で確認できますので、血栓溶解治療の適応にも役立っております。
 MRI装置の原理を簡単にご説明しますと、体の構成物質の60%~70%をしめる水(H2O)の中の水素原子を利用して画像化しています。MRI室では磁場を常に一定方向に保っていて、その中に患者様に入って頂く事で水素原子の向きを一定に保ちます。
 その状態から斜め方向よりエネルギーを与えると(この時にトントン音が鳴ります)水素原子がその方向を向き、エネルギーを切ると、また元の方向に戻ります。この戻るときにエネルギーを放出しながら戻りますのでそれを受信コイルと呼ばれる機械で信号を受け取ります。各原子により戻り方が異なりますのでそれを画像化する装置です。
 このため、検査部位の周辺に機械を取り付けます。当院の装置は出来るだけ検査時の音が静かになるように設計されています。また従来、検査室内は磁場精度を均一に保つために窓が狭く閉塞感がありますが、当院は庭と操作室に広く窓を用いた設計ですので、明るい印象の検査室となっております。エックス線を使った検査では造影剤を使用して血管の描出を行いますがMRIでは造影剤を使わずに描出することができます。

CT検査


 患者様に検査台に寝て頂きエックス線発生装置を体の周囲方向に回転させて検査を行います。体を透過したエックス線を検出器で受け取りコンピュータ処理して体の断層画像を作成します。
 体内の臓器撮影はもちろん、骨の描出にも優れていますので、3次元画像(立体画像)の作成や多方向の断層画像が得られ手術適応の骨折の治療計画や患者様への説明に使用しております。
 また、造影剤を急速静注する事により、様々な部位の血管を描出したり、病変部の質的評価を診断する検査にも対応しております。
 エックス線検査は、全て、動きのある部位には非常に困難な検査ですが、当院のCT装置はエックス線発生装置が1回転するのに、最短で0.35秒で回る事が出来るため、以前ではカテーテル検査でしか撮影できなかった心臓(冠動脈)撮影も心電図と同期させて撮影が出来るようになりました。
 これにより、今までは一泊入院のカテーテル検査でしたが、今では40分程度で検査出来るようになりました。

内視鏡検査

当院での胃カメラ検査は、口からの内視鏡検査と鼻からの内視鏡検査を行っています。
 鼻からの検査は「えづき」も少なく、口からの検査より、楽に検査を受けることが出来ますので、現在では主流になっています。
 また、口から管を挿入するのと違い、鼻からの場合には、随時に会話しながら検査することが出来るという利点もあります。

末梢神経伝導検査

末梢神経伝導検査は、四肢にしびれや力が入らないなどの症状があるとき、その原因が神経の障害によって起きているのかを調べるための検査です。
 運動神経伝導検査(MCV)は末梢神経を皮膚の上から2ヶ所 それぞれ電気刺激し、その支配筋に現れる波形を記録します。刺激から波形の出現する時間(潜時)差を2点間の距離で除することによりこの2点間を伝導した速度を求めます。
 知覚神経伝導検査(SCV)は末梢神経を皮膚の上から電気刺激し、離れた位置での神経の活動電位を記録することにより伝導速度を求めます。
 これらの検査によって、 末梢神経の損傷、神経脱髄疾患、糖尿病などで伝導速度が変化するため、その遅延の程度から疾患の程度を知ることができます。
 電気刺激時にピリピリとした痛みがありますが、痛みを感じないのは神経障害が進行していることの目安になります。

心電図

心電図は、胸痛・動器・呼吸困難などの症状があるときに、その症状が心臓の疾患によって起きているのかを調べるための検査です。
 検査方法は、 手首・足首、胸部に電極を装着し 安静時仰臥位の波形を記録します。
 この結果から、 不整脈、心肥大、心筋虚血、心筋障害の有無を知ることができます。

呼吸機能検査

一秒間に吐ける息の量(一秒量)から、標準の方に比べて自分の呼吸機能がどの程度であるかの指標になる検査です(肺年令をみる検査です)。
 その方法は、スパイロメトリーという機器によって測定した一秒量と身長から肺年齢を算出します。
  検査結果より、生活習慣病であるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の程度を知ることができます。
 COPDは喫煙が主な原因とされ、肺への空気の通りが慢性的に悪くなってゆっくり進行していく疾患で咳、痰、息切れなどの症状があります。

腹部超音波検査(エコー)

腹部エコーは、腹痛・黄疸・体重減少・腫瘤を感知するなどの症状があるとき 腹部の疾患によってその症状が起きているのかを調べるための検査です。
 腹部を出した状態で仰向けに寝ます。検査部にゼリーを塗り、プローブをあててリアルタイムに観察します。
 必要に応じて息を吸ったり吐いたりすることや、側仰位になることがあります。また、食事の影響があるので検査当日の朝は絶食でおこし下さい。
 肝臓であれば肝炎・脂肪肝・腫瘤の有無、胆嚢であれば胆嚢炎・胆嚢結石・ポリープの有無などを知ることができます。

頸動脈超音波検査(エコー)

頚動脈は、全身の血管のなかでも動脈硬化の起こりやすいところです。
 動脈硬化が進むと脳梗塞などの原因になるので、動脈硬化の進み具合を調べるための検査です。
 頸部を出しだ状態で仰向けに寝ます。検査部にゼリーを塗り、プローブをあててリアルタイムに観察します。
  プラークの性状・厚みなどから 血管内の狭窄の有無を知ることができます。また、血流をカラーで表示することにより 血流の有無や流速を知ることができます。
 プラークは、血管内腔に隆起状に突出した病変のことです。このプラークが大きくなることで動脈の狭窄や閉塞をひきおこします。また、やわらかく不安定なプラークは剥がれやすく脳血管に詰まると脳梗塞の原因になります。

骨密度測定装置

骨の強度を検査します。骨密度検査が一般的ですが、当院では最新の骨密度測定装置を導入しました。これまでの前腕だけでなく、腰椎や大腿骨の骨密度を計測することが可能になりました。高齢者の転倒による圧迫骨折や大腿骨頸部骨折は、歩行困難になったり、寝たきりになるリスクが高くなります。最新装置では折れやすい部分の骨密度を測定できるので、従来より詳細な検査が可能になりました。
 また、骨の強度は骨密度だけではなく骨質も要因となりますので、骨密度が高くても骨質が悪ければ骨粗しょう症と診断されます。最新の骨密度測定装置は、これまで採血や尿検査で判断していた骨質も測定できるので、一度の検査で骨粗しょう症の程度が明確になり、適切な治療法を提案できるようになりました。