加納総合病院

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リウマチ科外来

関節リウマチの早期診断、並びに治療の評価において下記検査を当院では金曜のリウマチ科外来にて積極的に行っておりますので、関節症状にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

関節リウマチと関節エコー(超音波)検査に関して

 関節痛は、運動や関節に負荷がかかる動作によって生じるだけでなく、インフルエンザなどの感染症、痛風や変形性関節症などの病気が原因で起こることもあります。病気の中でも関節リウマチは炎症により関節内に滑膜が増殖し、関節の腫れや痛みが生じ、症状が進行することで骨破壊が起きて関節の変形を来し、様々な機能障害を起こす病気です。この病気は、関節症状と採血やレントゲンなどの検査所見をもとに、総合的に判断することで診断されます。画像検査においては近年では関節エコーが診断の補助だけではなく、他の病気との鑑別にも有用とされています。

 関節エコーの利点として、関節の炎症を視覚化することで、客観的に評価できることが挙げられます。写真①は正常な手関節ですが、関節リウマチにより同部位に炎症が起きると、写真②のように滑膜が増殖し、いわゆる滑膜炎を来します。

更にエコーでは滑膜内の炎症によって生じる新生血管を表す血流シグナルの広がり方で、炎症の程度を評価することができます。これにより、治療経過における疾患活動性の評価ができるだけでなく、例えば腫れはあるけど痛みがない、痛みはあるけど腫れがない場合など、診察所見だけでは判断が難しい症例の診断にも有用とされています。また、エコーは腱鞘炎や、付着部炎(腱や靭帯が骨に付着している部位)、変形性関節症による骨棘を描出することで、関節の痛みが関節炎以外の要因で起こっていることを診断することができます。関節痛が肩の場合、写真③のようにリウマチ性多発筋痛症による滑液包炎を描出することで、五十肩(肩関節周囲炎)などの他疾患との鑑別にも有用とされています。

 関節エコーの検査は写真④のように診察室で、観察する関節にゼリーを塗ったプローブを当てて行います。検査の所要時間は関節部位や関節数によって変わりますが、15分から30分程度であり、放射線被ばくや痛みを伴うなどの侵襲性がない上に、診察時にリアルタイムに評価ができる検査です。