加納総合病院

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臨床工学科

臨床工学科は、医療機器の専門職(臨床工学技士:CE clinical engineer)が、治療に必要な機器を「安全に、確実に、止めずに」運用できるよう支える部署です。日々の点検・管理に加え、透析、集中治療、手術、カテーテル治療など、患者さんの重要な治療現場に直接関わり、医療チームと連携して医療の安全性と質の向上に貢献しています。

 

臨床工学科のご紹介

当科は2021年10月に独立部門として設立され、現在3名の臨床工学技士(CE)が在籍しています。機器管理、透析、集中治療(HCU)、手術室、ペースメーカ(CIEDs)、カテーテル、心臓リハビリ、医療機器安全管理研修など、多岐にわたる業務を担当しています。

機器管理業務

院内の医療機器が安全かつ適切に使用できるよう、中央管理方式により、購入から廃棄までを医療機器管理システムで一元管理しています。機器ごとの年間保守計画を作成し、院内で実施できる点検(院内保守)を推進することで、維持管理の質と効率の両立に取り組んでいます。また、毎日院内を巡回し、使用中機器の状態確認を行っています。

  • ポンプ類(輸液・シリンジ・TCI・経腸栄養ポンプ):毎日病棟ラウンドを行い、使用状況や安全性を確認します。使用後は点検のうえ、各部署へ貸出します。

  • 人工呼吸器(16台)・搬送用人工呼吸器(2台):気管内挿管、NPPV、HFNCなどの治療に対応し、使用中の患者さんへ毎日ラウンドを実施します。CT/MRI/レントゲン撮影、転院時などの搬送時にもサポートします。点検にはフローアナライザ(CITREX H5)を使用し、酸素療法関連物品の管理も担当します。
  • 院内常設機器(除細動器、AED、モニター類):専用チェッカ(例:漏れ電流チェッカ等)を用いて、定期的な保守点検を行い、いざという時に確実に使用できる状態を維持します。

透析室業務

透析室の4床において、入院患者さんの透析療法を安全に提供するため、看護部と協働して業務を行っています。個人用透析装置およびRO装置(透析用の水をつくる装置)の点検は年間計画に基づき実施し、水質管理、廃液管理、生菌検査、エンドトキシン測定も定期的に行っています。

集中治療業務

集中治療室(HCU)では、毎日のカンファレンスに参加し、患者さんの状態や治療方針を共有したうえで、人工呼吸器、持続血液浄化装置、補助循環装置など、生命維持に関わる装置の管理・操作を担当しています。穿刺式気管切開術の補助、脳オキシメータの装着・データ解析、人工呼吸器離脱(ウィーニング)支援にも関わります。

また、CRRT(持続的腎代替療法)、エンドトキシン吸着療法、難治性腹水症に対するCART(腹水濾過濃縮再静注法)も実施しています。

手術室業務

手術室では、生体監視装置、麻酔ガスモニタ、麻酔器、高周波電気メス、患者加温装置などの院内外点検計画を立案し、安定稼働を支えています。機器不具合発生時には初期対応から原因究明まで行い、手術の安全と円滑な進行に貢献します。

整形外科・脳神経外科手術におけるナビゲーションシステムの操作や画像処理、MEP(運動誘発電位)モニタリングも当科の業務です。

ペースメーカ(CIEDs)業務

徐脈性不整脈に対するペースメーカの新規挿入・交換時に、アナライザやプログラマを用いたチェック・設定を行います。植込み後は外来での定期チェックや設定最適化を行い、遠隔モニタリングシステムを活用して不整脈や動作異常の管理も実施します。MRI検査時や手術時など、ペースメーカ植込み患者さんの安全管理にも対応しています。

カテーテル業務

冠動脈カテーテル検査・治療で使用するデバイス管理、清潔介助、iFR/FFR・IVUSの操作および解析、血行動態管理を担当しています。

医師のタスクシフトの一環として、2024年9月より脳血管造影(脳Angio)において「1医師1CE体制」での清潔介助を開始しました。

緊急重症例では一時的ペースメーカ、IABP、ECMOなど補助循環装置の操作・管理にも対応できる体制を整えています。

心臓リハビリ業務

医師、看護師、理学療法士と連携し、心臓リハビリテーションを安全かつ効果的に実施するため、モニタリング機器の整備・保守、生体情報モニタリング支援を行っています。

医療機器安全管理研修

新卒看護師を対象とした入職時講習会を毎年実施し、医療機器安全管理研修も年2回開催しています。その他、他部署からの依頼による勉強会やRST勉強会も随時実施し、院内全体の安全文化の醸成に取り組んでいます。

 

臨床工学科が大切にしていること

  • 患者さんの安全を最優先に、機器の点検・管理を徹底します。
  • 治療が途切れないよう、現場の状況に応じて迅速に対応します。
  • 医師・看護師・コメディカルと連携し、チーム医療の質を高めます。
  • 機器の適正使用を支える教育・研修を通じて、院内の医療安全を底上げします。

 

略語

  • CE:臨床工学技士
  • HCU:高度治療室
  • RO:逆浸透(透析用水をつくる仕組み)
  • NPPV:非侵襲的陽圧換気
  • HFNC:高流量鼻カニューラ
  • CRRT:持続的腎代替療法
  • CART:腹水濾過濃縮再静注法
  • MEP:運動誘発電位
  • CIEDs:植込み型心臓電気デバイス(ペースメーカ等)
  • iFR/FFR:冠動脈の血流評価指標
  • IVUS:血管内超音波
  • IABP:大動脈バルーンパンピング
  • ECMO:体外式膜型人工肺
  • AED:自動体外式除細動器