加納総合病院

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肝生検をしなくても肝臓の硬さを測定できる新しい検査機器(フィブロスキャン)を導入しました

2020年5月9日 お知らせ

肝生検とは

肝臓は、肝炎ウイルスの感染やアルコール摂取により肝臓の線維化が進み(肝内のコラーゲンが増え)、硬くなります。線維化の程度を把握するには、入院して肝臓に針を刺して肝組織の線維(コラーゲン)の量を見る肝生検が行われています。その際に、病理診断を行い、慢性肝炎から肝硬変まで4段階の病期(ステージ)に区分していました。病期が進むにつれ、肝機能に支障をきたし肝不全に進むことや、肝がんのリスクが高まることがわかっています。また、肝生検を行えば、同時に肝細胞の脂肪化も診断できます。脂肪化は、肥満や糖尿病の合併、アルコール摂取などにより生じることが多いのですが、肝細胞に脂肪化があると病気の進行が早く、肝発がんのリスクも高まることがわかっています。このため、肝生検から得られる情報は肝臓病の方の病状の把握や治療方針の決定に極めて重要です。しかし、肝生検は入院して行う必要があり、肝臓に針を刺すというリスクを伴う検査ですので、患者さんに簡単にお勧めできる検査とはいえません。
この度、加納総合病院では肝生検を行わずに、肝臓の線維化や脂肪化を評価できるフィブロスキャンという最新鋭機器を導入しました。

健康保険で認められた検査でありながら、この器械を導入した病院はまだ少なく大阪府下で17病院、近畿全体でも23病院しかありません。肝生検のような痛みを伴わず、入院ではなく外来で超音波検査の際に同時に検査できるようになりました。測定時間は約5~10分です。

▼フィブロスキャンを導入している病院はこちら
 肝臓検査.com
 https://kanzo-kensa.com/clinic/?cat=osaka#search_result

フィブロスキャンのメリット

肝生検に比べ、入院せずにプローブを当てるだけで簡単に測定できます。患者さんへの負担がなく全く痛くありませんので、繰り返し計測することが可能です。さらに、肝臓の硬さや脂肪量(脂肪の沈着具合)を数値化することができます。この数値を参考に、肝疾患の病期(ステージ)を診断し、個々の患者さんの発がんリスクを推定することが可能です。さらに、病気が進行しているのか、あるいは治療が有効で良くなっているのかを、フィブロスキャンの数値の変化で正確に把握することができます。従来の血液検査のみの評価に比べ、はるかに精度が高いことが報告されています。

実際の検査について

検査前の絶食が必要です。検査は超音波検査室で行い、約5~10分で終了します。右脇腹の肝臓のあたりにブローブ(▼印)を当て、2種類の波(超音波とせん断波)による弱い振動を与えます。患者さんは軽くトントンという刺激を感じますが、痛みはありません

検査の様子

この測定で肝臓の硬さと脂肪蓄積量(CAP)が数値化できます。

肝臓の硬さ・脂肪蓄積量

検査ができない・あるいは正確に測定できない患者様

1) 妊婦とペースメーカー装着者は行うことができません。
2) 腹水や肝臓内に腫瘍のある方は正確な数値が出せないため、検査を受けれない場合があります。
3) 高度肥満の方では測定値が不正確です。

 

【費用】
この検査にかかる追加費用は600円(保険適用、3割負担の方)

 

【お問い合わせ】
加納総合病院 医事課
06-6351-5381(代)